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【コン検通信 理事だより】AIロールプレイで62%工数削減と成長実感

2年前の本稿では、「生成AIの活用実践」と題し、生成AIを活用したロールプレイングシステムの導入事例をご紹介しました。

[コン検通信 理事だより]生成AIの活用実践 | お知らせ | コン検 CONKEN | 日本コンタクトセンター教育検定協会

今回は、その後の現場での実践結果についてご報告いたします。

ツールの詳細な利用手順については、上記の過去記事をご参照いただくとして、
本ツールの最大の特長は、現場で蓄積された業務ナレッジやFAQをもとに、ロールプレイング用のシナリオを自動生成できる点にあります。完成したシナリオをもとにAIがお客様役となり、音声で質問し、オペレーターは実際の電話応対さながらに練習を重ねることができます。

さて、結論から申し上げますと、6つの窓口で2か月間ツールを活用した結果、約152時間もの工数削減を実現しました。これは従来比で「62%」の省力化に相当します。

 

このツールの導入により、スーパーバイザーやトレーナーの心理的負担が大きく軽減され、オペレーターの不安も大幅に減少しました。新規採用スタッフの早期離職も減少し、前向きに業務へ取り組むマインドの醸成にもつながっています。さらに、ロールプレイングの効率化によって、現場全体の生産性向上も実感しています。

実際にツールを利用したオペレーターからは、「自分の成長を実感できる」「何度も練習できて安心」といった声が多く寄せられています。特に、顧客対応に課題を抱えていたオペレーターが、80回以上のロールプレイングを重ねることで、見事に課題を克服した事例も生まれています。

仮に、ロールプレイングのシナリオが完成している状態で、1回のロールプレイング(疑似対応からフィードバックまで)に20分かかるとすると、80回の実施で約27時間が必要です。トレーナーとオペレーターの2名が関わるため、実質的には約54時間が必要となります。現実的に、スーパーバイザーやトレーナーが80回ものロールプレイングをサポートするのは困難ですが、AIロールプレイングツールであれば、オペレーターはトレーナーに遠慮することなく、自信が持てるまで何度でもトレーニングできます。

また、AIによる評価は偏りがなく、遠慮や忖度もありません。人との相性を気にする必要もなく、オペレーターは納得感を持って自分の課題に向き合うことができます。さらに、結果を記録することで、自己学習の進捗や成長を実感でき、上司との面談時の材料としても活用できます。

ツール自体も、アップグレードを続けています。
例えば、「お客様(AI)のペルソナ設定」、「フィードバックの重点ポイント設定」など現場からの要望に応えながら進化しています。

当社では、AIロールプレイングツールの導入により、現場の負担を軽減しつつ、オペレーターの成長をしっかりとサポートできる体制が整いました。
今後も、現場の声を反映しながら、さらなるツールの進化と活用を進めてまいります。

 

パーソルコミュニケーションサービス株式会社 大濱広寿>