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[コン検 理事だより]コンタクトセンターのアセスメント

弊社では、コンタクトセンターやヘルプデスクを運営している企業様より、様々なお困りごとの相談を受けることがありますが、このような場合、弊社でお悩みを伺い、センターのアセスメントを実施させていただいております。

お困りごとの内容として、以下のような課題があがります。
・業務量から算出した要員数にてアウトソーサーに発注しているが、要員数が適正なのかわからない。
・離職者が多く、毎月1~2名の新人が入所しては入れ替わり、常に新人研修を行っている。
・業務時間中に電話対応以外の作業内容をしているようだが、詳細が見えない。
・月次報告書の中に、業務改善提案や気づきがない。
・SVの動きが悪いことに不満がある。SVの代わりに発注者側の管理工数がかかっている。
・ユーザーからのクレームが多い。

多くのセンターでは交換機から必要なデータを取得できているのですが、集計や分析が不十分な場合、センターの実態を発注者側が把握できないことがあります。
昨年、某企業(A社とする)よりアセスメントの依頼を受けました。
A社は自社製品のサポートをアウトソースしており、チームは30名ほどで対応していました。

チームにSVがいるものの、マネジメント力が不足しており、A社社員の管理工数が非常にかかっているとおっしゃられ、また委託先と人数で契約しているのだが、適正な人数ではない(業務量と比較し契約人数が多い)と考え、弊社に相談に来られました。


A社が課題としてあげている部分だけ、アセスメントを実施することとし、必要なデータを入手し分析しましたところ、以下の矛盾がありました。
・必要なデータの一部が取得できていない(取得していない)。これによりAHTが算出できていない。
・コール量は集計できている。ただ、コール量は月ごとにばらつきがあるが、コール量が少ない月でも契約要員数が同じか増加している。
・収集できているデータの分析から、配置人数が少ない日も多い日も処理量の合計は変わらない。
また、委託先にて用意した交換機であったため、A社に必要なデータが共有されていないことも課題としてあがりました。

コンタクトセンター・ヘルプデスクの発注者と委託先で、現状を把握し共に業務改善に取り組む際、CMBOK*を共通言語として活用いただくことにより、継続的な改善活動が実現できると考えます。
A社の場合、まずはA社にてCMBOKを活用いただき、A社主導で見るべき指標を決め、目標を設定し、委託先との課題の共有や改善の取り組みも実行していくことにより、A社が目指すセンター運営の実現が可能となります。

日本コンタクトセンター教育検定協会では、「CMBOKの継続的な改定と試験開発」「セミナー開催」「研修の開催」と、CMBOK活用方法に関するお問い合わせを受け付けておりますので、ぜひご相談ください。

*CMBOK(Contact Center Management Body Of Knowledge)とは、コンタクトセンターマネジメント知識スキル体系のことで、コンタクトセンターの専門的な職能に対して、知識・スキル・行動などコンピテンシーを体系的にまとめたものです。

<株式会社 シー・シー・ダブル 永野 彰乃>