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[コン検通信 理事だより]台湾カスタマーサービスのアワード

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?まだコロナ禍が続くことではございますが、皆さまのご家族、同僚、従業員の方々の安全と健康を心よりお祈り申し上げます。

新型コロナの影響で、急激な環境変化が進みましたが、海外のコンタクトセンターでも様々な動きがありました。今回のコラムでは、弊社で3年前からビジネス展開を行っている「台湾」のサービス業界のアワードを紹介したいと思います。

台湾では、若干35歳で台湾IT担当大臣に就任したオードリー・タン氏が陣頭指揮をとり、コロナ対策としてマスクの不足解消・備蓄にデジタルテクノロジーをフル活用した件がニュースで話題になりました。過去のパンデミック体験から、国民を守るために政府・民間が一丸となって準備を行い今回の危機に対応した結果とのことです。関係省庁・流通・決済などの調整と共に、GPSや店舗在庫更新(ほぼリアルタイム)など短期間で実現してしまうところが本当にすごいです。また、台湾では以前から、商品購入後のレシート(統一發票)に“宝くじが付いていて、2カ月に1回当選発表があります。QRコードでアプリ読込・当選発表を楽しめるのですが、これも、顧客がレシートをもらうことで(習慣化)、現金小口商売における脱税防止にITを活用したもので、合理的かつ人間心理をよくとらえた施策だと感心しました。

ちなみに、これらのデジタル化はカスタマーサービスの基盤でもあります。日本は「IMD(国際経営開発研究所)の世界デジタル競争力ランキング2019」では23位で、台湾は13位でした。日本のデジタル化は「おもてなし」「印鑑」といったところで世界のスピードに遅れをとっている印象ですが、今後は台湾はじめ世界の見習うべきところを参考にし、デジタル化が進んでいくことに期待したいです。

さて、前置きが長くなりましたが、その台湾では、毎年8月にサービス業界全体を対象にした大規模なアワードが開催されています。工商時報とTSAAという団体が、様々な業界(ホテル、病院、飲食店、小売り、自動車、金融など)を対象にしたミステリーショッパーやアンケート、インタビューなどで調査を行い(弊社も参画させて頂いております)、優れたサービスを提供できた企業と個人を称えています。個人へ贈られる賞では「この店員が素晴らしかった!」と評価された店員さんがショップの制服などで登壇し、大手企業の社長や政府関係者の前で受賞されていました(今年は副大統領が参加されていましたが、過去は大統領も参加されています)。各社の様々な衣装を着た応援団、チアリーダーなどによる熱い応援にも感激しました。「台湾のサービス業界を強くして世界に発信しよう!」というスローガンの通り、政府や各企業のトップ層からのメッセージには、強い意気込みが感じられました。

アワードを受賞された企業は、コロナ禍という背景があったため、大きく分けて3タイプあるように見えました。

 

1.       コロナ禍に対応した商品・サービス強化や売上増の実現

コロナ禍におけるコンタクトセンターのトランザクション増を機に顧客のデータ分析を強化し、更なる売上UPに取り組む(例:購買頻度の高い商品のPB化)

2.       OMOをフル活用した顧客との関わり方やブランドの強化

自社が提供する商品やサービスに係る課題の解決だけではなく、顧客の生活をより豊かに、より便利にすることに着目するブランドへと成長。同時並行してリモート/デジタル体験の向上のためにOMOを急促進

3.       人財投資

売上の減少を食い止められない中、売上を回復することだけに着目せず、従業員育成の時間として人財投資

 

以下は、アワードで金賞を受賞された企業です。

日本では、この度のコロナ禍の中、コンタクトセンターをはじめとするカスタマーサービスの最前線に従事するスタッフの皆さんが、多くの不安を抱えながら出社されている姿を見聞きしました。今回、コンタクトセンターが企業のサービス継続に欠かせない存在であると共に、社会における雇用維持のインフラとしても大きな役割を果たしてくれていることが明らかになったのではないかと思います。

コンタクトセンターに対しては「AIが進化すればコールセンターは不要になる!」「密な職場」といった就業者にとってのマイナス面ばかり話題になりやすいですが、台湾でのアワードのように、コンタクトセンターを含む全てのサービス業界に対し、政府そして社会がもっと注目し協力的になり、サービス業界の未来がさらに発展してほしいと願うと共に、コンタクトセンター検定などによる個々のスキルアップにより業界全体の価値向上につながるよう、私自身もコン検などを通じて貢献していきたいと思いました。

 

弊社では台湾市場に進出してから日台企業交流ツアーを開催させて頂いており、ここで得た学びから実際に改善できたという嬉しいお声も頂いております。渡航が解禁となった際、是非、ご興味ある方はお声がけください!

台湾コンタクトセンター事例紹介(無料:1110日、11日)https://cxweek.jp/

 

<株式会社プロシード  根本 直樹>