企業導入事例一覧

株式会社ファンケル

コンタクトセンター全体の底力を上げていくための一歩として
コン検を導入
化粧品や栄養補助食品などの通信販売事業を展開する株式会社ファンケル。 コンタクトセンターにおける応対の良さではすでに高い評価を得ている同社が、なぜコンタクトセンター検定試験(以下、コン検)を導入したのでしょうか。 その経緯について、カスタマーリレーション本部の加藤明子さんにお話をうかがいました。
本社3Fフロアにおけるコンタクトセンターの様子

導入時の御社の背景についてお聞かせください。

2010年秋、中期3カ年経営計画に合わせて、カスタマーリレーション本部としても、顧客接点のあり方やサポート体制も変えていくべきと考え、『コンタクトセンター・プロジェクト』を立ち上げました。そのプロジェクトで新しい体制づくりを模索するなか、“現状の体制では、広い視野に立った改善意識や提案が醸成されにくい”という課題が挙がりました。
当社での配属時の教育は、製品知識や応対知識などの即時性の高いものに重点が置かれており、コンタクトセンターの機能や戦略的位置づけなどを体系立てて教える機会がありませんでした。変革する組織内で、カスタマーリレーション本部がより一層の機能強化を図っていくには、現場での事象を組織全体の価値へと転換するための“術(すべ)”を養う教育の必要性を感じていた矢先に、コン検のことを知りました。

コン検の導入理由を教えてください。

コン検は、コンタクトセンターの専門的な職能に対して、知識・スキル・行動などのコンピテンシー(※)を体系的にまとめたCMBOK(シンボック)の構築を目指しています。社員の一人ひとりが、こうした体系化された内容を基本スキルとして習得・共有していくことで、現状の課題を解決する手助けにつながると考えました。
そして、2010年の11月には数名のプロジェクトメンバーとともに試験を受け、学習から受験までの一連の流れを身をもって体験しました。実際に自分で取得してみて、この資格はコンタクトセンターで働くための知識が体系的にまとまっていることを改めて実感しました。さらには、必要な範囲が網羅されている対策テキストがあり、受験システムもしっかりしています。そうした総合的な面から導入を決めました。

会社の体制と取り組み状況は?

会社では、初回の受験料と対策テキスト代を会社が負担しています。すでに、スーパーバイザーはもとより、将来的にスーパーバイザーを目指すテレコミュニケーターを含む70名を超えるスタッフが受験しています。そして2012年の7月までには、全体の40%が受験する予定です。
この資格を取得する意義を理解してもらうため、少人数規模での説明会を開催して勉強の過程の大切さとキャリアパスへの有用性などを伝えました。また、資格取得の制度を知ってもらうために、休憩室の壁に合格者名を記載したボードも掲示しました。このボードに、合格した人からの「受験する人へのアドバイス」も書いてもらったところ、その内容を読み込む人が増え、さらには、そのメッセージ内容が共通の話題となってセンター内の部署を超えた縦横にコミュニケーションが広がるなど、思いがけない効果もありました。

貴社のコンタクトセンターにおける今後の目標は?

電話応対コンクールで賞をいただいたり、ウェブ上でお客様からお褒めの言葉をいただいたり、お客様対応の品質については以前より定評がありました。当社のテレコミュニケーターは在籍年数の長い人が多く、長年のノウハウや改善の結果がそのような評価につながっていると思います。
その一方で、センター全体の運営の品質という面では、これから一つひとつ積み上げて形成していく必要があります。コンタクトセンターに配属される社員には定期的な業務のローテーションがあることから、ノウハウや知見がセンターの知恵として蓄積されてこなかったということもあります。しかし、そうした現状を切り替えていくことができるのも人の力だと思いますし、コン検の導入を契機にコンタクトセンター全体としての運営の品質も高め、商品や応対との相乗効果を図っていきたいと考えています。

※ コンピテンシー : 高い成果を継続的に上げるための行動特性

掲載内容は、2012年6月取材時のものです。

【取材ご協力】

株式会社ファンケル

所在地 :神奈川県横浜市中区山下町89-1

従業員数:721名  ※パート、委託スタッフは除く[2012年6月現在]

1980年創業。安心・安全・やさしさを追求した「無添加」にこだわった化粧品をはじめ、手軽に安心して摂れるサプリメントなどの栄養補助食品、快適下着、エステティックサロン、予防医療の健康院など、さまざまな商品・サービスを通じて「美」と「健康」を提供している。

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お問合せグループ
加藤明子さん

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