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[コン検通信 理事だより]顧客体験(CX)向上に向けたチーム単位の取り組み事例

皆さま、こんにちは。ヤマトコンタクトサービス株式会社の三島と申します。

前回弊社が発信したコラム  (コンタクトセンターデジタル化 事例のご紹介 https://www.conken.org/information/cat1/20201201con.html)で、ヤマトグループではチャットボットやIVR(自動音声応答システム)による自動受付、FAQ整備など、デジタルチャネルの整備を進めてきたことをご紹介しました。
ご紹介から2年ほど経過しましたが、その後も、チャットオペレータ による宅急便のお問い合わせ受付開始や、個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の受取場所変更依頼機能拡充をはじめとしたWEBサービスの新たな機能追加など、さらなるデジタル化を進めています。

今回は、デジタル化が進む中で、直接お客さま応対を行うオペレータが顧客体験向上のために行っている取り組みについてご紹介します。

様々なサービスのデジタル化により、お客さまにとって“いつでも利用できる”“知りたい情報に素早くアクセスできる”“すぐに解決できる”といった環境は整いつつあります。
しかし、どれだけデジタル化が進み、WEB上で解決できることが増えたとしても、人の対応が必要なお問い合わせや、直接お話したいお客さまへの応対が必要です。
お電話いただいたお客さまのお話をしっかりと傾聴し、寄り添い、人にしかできない応対を磨いていくことで、「コールセンターに電話して良かった」と思っていただけるように心がけています。そのため、応対力向上研修業務力向上研修など全社的な取り組みのほか、チーム単位で課題を改善する取り組みも実施しています。

オペレータには、お問い合わせをスピーディーかつ正確に解決する“解決力”が求められます。解決には、サービス内容をただ理解するだけでなく、オペレータ向けFAQツールを活用し、正しい情報を迅速に見つけ出す検索スキルが必要です。
このFAQツールは様々な機能があり便利ですが、あるチームでは個々の検索スキルによってお客さまへの回答時間にばらつきがあり、適切な回答を探し出せずに管理者のサポートが必要になるなど、ツールを活用しきれていない状況でした。
どれだけお客さまの気持ちに寄り添う応対をしようとしても、お客さまをお待たせすることや、誤った回答をお伝えしてしまうことは、お客さまにとってマイナスの体験となります。

そこで、このチームでの課題を参考に、お客さまへ良い体験を提供するため、検索スキル向上を目指し、全オペレータを対象に勉強会を行いました。
ツールを活用する目的の認識合わせと、各オペレータが受電の際にどのようにツールを使用しているのかを管理者が横で確認(サイドバイサイドモニタリング)し、上手くツールを活用しきれていないオペレータには、ロールプレイング形式で個別トレーニングを行いました。

さらに、いつでも自席でトレーニングできるeラーニングを構築するなど、改善のための取り組みを継続的に実施しました。
着実に取り組みを進めることにより、一次解決率が全チームの平均を下回っていたチームが、現在では常に平均を上回る結果となっています。
このように、各チームの課題を自チームだけの課題として終わらせるのではなく、意見交換会や勉強会で定期的に情報を共有し、各チームの良い点を取り入れながら課題改善につなげています。

今回は、弊社の顧客体験向上の取り組みについて簡単にご紹介しました。
同様の取り組みは各社でも実施されているかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

<ヤマトコンタクトサービス株式会社 三島 梨奈>