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コン検のテキストはナレッジとセオリーの塊です。
私が第一線でコンタクトセンターマネジメントを始めたのは20年ほど前でした。
リンゴマークの初代スマートフォンが発売された頃で、まだオンライン会議は発達していませんでしたから、本部の全体会議というと新幹線で日帰り出張していた時代です。新聞はまだ紙が当然でしたし、AIどころかDXという言葉も流行する以前、今のように情報が溢れていた訳ではありませんでした。
当時は自分なりに色々と情報収集し、手探りながら現場感覚や、コンタクトセンター運営の勘所を養っていたと思います。情報収集においては、リーダーシップやマネジメントに必要と言われる基本的なセオリー(理論やフレームワーク)を、どれが良いか分からないまま片端から吸収しようとしていました。それなりにマネジメントに活かせないかと実践し、失敗も成功も含め、今思うとあまり深く考えずに試行錯誤しまくっていましたが、それでもメンバーに恵まれ、なんとなくうまくセンター運営できていたため、これで良いんだと思い込んでいました。
一方で、昨年うまくいったことが今年はできない、集めたデータに一貫性がない、思わぬところで収益管理を失敗するなど、言葉では表現できない「再現性のないマネジメント」に葛藤していたことも事実です。振り返って考えると、現場のみなさんにまあまあな迷惑をかけながら、非常にひとりよがりな経験を積んできたものだなと恥ずかしくなります。
当時は、まだコン検「コンタクトセンター検定試験」は、ありませんでした。
年齢と経験を重ねた今、当時の私と同じような立場のマネージャー(センター長)を見ていると、似たような苦労や悩みをしている人を見る一方、私のようなマネジメントへのアプローチを臆さず実践している人も見かけます。どちらが間違い、どちらが正解とかではありませんが、ここ最近、あの頃の私のような要領の悪い試行錯誤を彼ら、彼女らがしなくても良い方法はないのか、私が上司として部分的に指摘したりフォローした点だけの学びや経験で良いのかと、しばしば悩むようになりました。
そんな折、とある大きなコンタクトセンター構築案件のサポートをすることとなり、久しぶりにコン検のテキストを開いたところ、これまでの私の悩みは「ああ、こういうことか」と、晴れていくことになります。
コン検のテキストは理事という立場上、繰り返し読んでいますので内容は凡そ把握しています。しかしこれまでは全体を俯瞰した状態で読んではおらず、いわゆる受験勉強のために必要な部分を重点的に読むような、まさに「木を見て森を見ず」の状態で確認していました。
マネジメントを実践すると分かると思いますが、このテキストに書かれている内容はどれもきちんと実践すれば非常に有意義で、有益な情報ばかりです。決して受験勉強のためだけのものではありません。ただ実践においては受験勉強とは違った読み方があります。それが、「森を見て木を見て、また森を見て木を見る」というアプローチです。俯瞰して読み、今のマネジメントに足りない部分を具体的に紐解いて学び実践する、そしてまた俯瞰して見て、また不足している部分を見つけて補う、といった全体像と部分像(またはアウトラインとディテール)を行ったり来たりする視点を持つことで、このテキストが非常に役立つことを、恥ずかしながらつい最近再認識したということになります。
例えば、私が人・物・金で一番重要と考えているヒューマンリソースマネジメントにおいては、「スキル定義」に始まり、「採用」「トレーニングの実施」・・・と進み、・・・「従業員の評価」「従業員の定着促進」「エンプロイ・エクスペリエンス」というマネジメントの全体像が12のフローのように把握できます。
【ご参考】
「コンタクトセンターマネジメント」 CMBOK3.0準拠(サンプル)
「コンタクトセンター構築マニュアル」 CMBOK3.0準拠(サンプル)
もしチームの人材管理で悩んでいるなら、この全体像を見て自分がこのマネジメントを網羅できているかどうか、今のチームに不足している(あるいは課題となっている)部分はどこかを確認します。チームがうまく機能していないようでしたら、「チームビルディング」の項目を開けば、メジャーなものだとタックマンモデルなど、その打ち手が書かれています。さすがにページ数にも限りがあるテキストですので、打ち手とはいえ概要の説明にとどまっていますから、詳細はご自身で調べ学んでから実践いただくことにはなりますが…
そのタックマンモデルを掘り下げて学ぶと、チーム形成から機能するまでのプロセスが段階に分けて定義され、それぞれの段階に応じたマネジメントを知ることができますから、今のチームがどの段階にあるかを確認し、自身がどんなリーダーシップを取れば良いかを学び、考え、実践すれば良いわけです。そしてまた全体像を見て他に課題がないかを確認し、見つけたらまたその項目を掘り下げて学び、実践する、といった流れです。
このテキストが良いのは、私が過去、手探りで闇雲に調べ実践した中でもちゃんと成果を感じたものだけが選ばれて掲載されていることです。早い話、無駄がない。
昔のこととは言え、私はずいぶん非効率で遠回りな情報収集、あやふやで心もとない勉強の仕方、未熟で向こう見ずなマネジメントの実践をしていました。
今はこんなに便利なものが手元にあるのに、使わないのはもったいない。
そこで今まさに、コンタクトセンターの管理者として、そのマネジメントに悩んでいる方がいるなら、あらためてお伝えしたい。
・コン検のテキストをただただ受験勉強のためだけに使うのではなく、実践に活かして欲しいということ
・コン検のテキストは、どれも実践するために有意義で有益な情報が体系的に載っていること
・コン検のテキストには、コンタクトセンターで働くために必要なセオリー(理論やフレームワーク)が載っていること
・コンタクトセンターで働く基礎として、これらのセオリーを実践、有効活用することをお勧めしたいということ
・特に、自己流でなんとかしてきた方には、テキストの中でその経験や知識、ナレッジが言語化されていることに気づいてほしいこと
・再現性のある活躍をするために、これらのセオリーをうまく活用してほしいということ
自ら努力し苦労を重ねて学んだ知識や経験は、とても大きな財産になると思います。
しかしコスパやタイパも重視される今、コンタクトセンターのマネジメントに悩んでいる方、ぜひ手探りで闇雲に情報収集をする前に、コン検のテキストを開いてみてください。一度は聞いたことのある理論やフレームワーク、コンタクトセンター用語が、体系的に整理されていることに気づくと思います。
なので、せっかくマネジメントを学ぶなら、まずは手元にあるコン検のテキストを活用し体系的に整理された情報を基に実践を積み、それでも足りない部分、さらに強化したい部分は自分で必要な情報収集をすれば良いんじゃないでしょうか。
悩み多き後進たちに、この素晴らしい気づきを、テキストのプロモーションと誤解されないように、どう伝えようか…と悩む(笑)今日この頃です。
<SocioFuture株式会社 戸田寛之>