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[コン検 理事だより]COPCから見た“次世代センター構想”へのヒント

次世代コンタクトセンター構想の検討を進めている企業が増えています。一方で、「お客様サービスの強化 vs. コスト削減」、「デジタル推進 vs. 人にしかできないこと」、、、など、ベクトルがうまく合わない中で、議論や方策が社内で煮詰まって困っているという話も伺います。頭で考えるとシンプルでも、現実の環境下で次世代センター構想を描くことは“かなり難しい”といえるでしょう。

CMBOK(コンタクトセンター知識スキル体系)には、コンタクトセンターマネジメントを高度化するための手法であるCOPC のエッセンスを多く提供しています。今回のコラムでは、COPC CXスタンダードの最新版のリリース7.0でアップデートされた領域から、次世代センター構想でコンタクトセンターに取り入れるべきポイントを紹介したいと思います。

COPCリリース7.0でのアップデート領域
1.サービスジャーニー
2.デジタルアシステッド
3.従業員体験(EX)と従業員エンゲージメント
いずれも、これまでのCOPCに含まれている内容ですが、チャネル毎のオペレーションマネジメントから、よりCXにフォーカスしたマネジメントモデルとなり、内容が整理・強化されました。

1. サービスジャーニー

カスタマージャーニーは、顧客と企業とのタッチポイントにおいて顧客視点にフォーカスした分析です。一方、サービスジャーニーは、企業内部のプロセスも表現したものとなります。顧客視点・時系列で確認する点は共通ですが、自社内のペインポイントまで含めることがサービスジャーニーの特徴の1つといえます。

CX視点で見た場合、従来からあるチャネル毎の応対品質評価(点で評価する)に加えて、ジャーニー単位での品質評価(線や面で評価する)と改善の組織能力は、これからのコンタクトセンターにとって必須機能になっていくと示唆しています。

サービスジャーニーの位置づけ

2.デジタルアシステッド

コンタクトセンターは有人対応がメインのイメージがありますが、これからの時代はデジタルと統合された顧客接点マネジメントへとシフトしていきます。ビジネスにおけるCXの重要度が年々増していることは世界各国の様々なレポートでも示されている通りですが、バックステージも含めたデジタルシフトも同時進行していきます。

そのような時代背景の中、センターマネジメント層に求められるスキルも大きな転換点にあるといえるでしょう。ビジネス戦略や顧客層によって、「人」を前提として「デジタル」でより強化するのか、または、「デジタル」を前提としてカバーできない領域を「人」でサポートするのか、違いはありますが相互連携の密度はより一層濃くなっていきます。片側の視点だけでなく、両方を包含した上位の視点から顧客サービスのマネジメントを設計できなければ、CX、コスト、品質など様々なパフォーマンスに悪影響が出ます。

デジタルシフトは確実な流れですが、それと並走してセンターマネジメントや体制・役割のアップデートも必要になることが示されています。

カスタマーサービスにおけるヒューマンとデジタルの役割

3.従業員体験(EX)と従業員エンゲージメント

単純なお問い合わせはセルフチャネルにシフトしていく中、有人対応に期待されるのは、より人間的(パーソナライズ)かつスキル・経験を必要とする対応となります。次々とリリースされるデジタルチャネルのサービスも含む最新の知識も必要になります。つまり、オペレーターやSVに求められるスキルの難易度は加速度的に高まってきており、今後も続いていくといえるでしょう。

COPC社によるグローバル調査、プロシードによる国内調査(Well-being Customer Center Award 2023)のいずれでも、「勤続年数が長くなるほど仕事への満足度は低下する」という傾向があるという結果が出ています。つまり、「より優秀な人材を確保しつづけたいが、働き続けたいと思う人は減っていく」のが実態といえます。

デジタルシフトが急速に進む中、マネジメント層がCXオペレーションのマネジメントができるためのリスキリング、オペレーターの生産性や品質の現実に合った目標や評価、従業員全体の継続教育の考え方とキャリアなど、コンタクトセンターの従業員がWell-beingであることを(手遅れになる前に)経営層も巻き込んで真剣に考えるタイミングにきているのではないでしょうか。

<株式会社プロシード 根本 直樹>

参考:
COPC CXBPトレーニング
https://proseed.co.jp/copc_best_practices_for_cx_operations_training/

Well-being CUSTOMER CENTER AWARD白書2022
https://proseed.co.jp/documents/

チャネルマネジメントに関する最新トレンド
https://proseed.co.jp/documents/