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[コン検通信 理事だより]ご高齢のお客様から選ばれるセンター、企業へ

「 青系・緑系の色は黒っぽく見えませんか?黄色は白っぽく見えますよね?」
「 高い音だとこんな感じに聞こえるのですよ。」

先日弊社(株式会社JBMコンサルタント)が主催した公開セミナー『高齢者応対基礎研修 ~高齢のお客様との電話応対編~』の一場面です。過去最高の申し込み者数を記録し、社内教育用にご紹介した高齢者疑似体験グッズも飛ぶように売れました。電話窓口を持たれている企業様のご関心の高さがうかがえます。

総務省の調査によると、2022年9月時点で65歳以上の高齢者人口は3,627万人と過去最多を記録したそうです。総人口に占める割合も29.1%と過去最高の数値になったようで、我が国が超高齢化社会に突入したことが改めて明らかになる結果となっています。

高齢者層の満足度を向上させることが、選ばれる企業になるために欠かせなくなっています。お問い合わせ先としての役割を持つコンタクトセンターには、今後どういった対応が求められていくのでしょうか。

Voice of Customerの観点で申せば、コンタクトセンターは高齢者の声に積極的に耳を傾け、商品・サービスの開発、改良に最大限生かしていくべきことでしょう。定期的な顧客満足度調査において、高齢者属性の定量的、定性的なデータの分析もぜひ注力したいことです。そこでコンタクトセンターの対応に関して課題が見受けられたのでしたら、オペレーションの見直しやスタッフの育成に力を入れるべきことは、もちろん期待される対応だと思われます。

AHT、お客様お一人当たりの平均処理時間の短縮に注力されているコンタクトセンター様は多くございますけれども、高齢者応対でも生産性にこだわりすぎると、高齢者顧客との対話への意識が乏しくなってしまう可能性が高くなりますから、これからの我が国においては、この点の指標において仕分けが必要ではないかと思われるのです。

Voice of Customer、AHT以外のところで考えるべきところとしては、やはりスタッフの教育があげられると思われます。高齢者への電話応対を振り返り、「通話が長くなってしまう」「同じ会話を繰り返している」等と苦戦しているオペレーターの方もいらっしゃるかもしれません。

高齢者応対の研修を企業様に提供している弊社では、高齢者の特性を把握すること、見え方、聞こえ方、話し方を掴むことをお伝えしています。その学習を土台にして、高齢のお客様にフィットした聴き方、話し方を磨いていただくようにしています。
一例をご紹介いたします。

  • 聴き方
    〈高齢のお客様の特性〉
    ・認知機能の低下により失語(うまく言葉が出てこない)があると想定

    〈オペレーターの聴き方〉
    ・助け舟を出して会話をサポートしてさしあげる
    ・相手の言葉をそのまま復唱するだけでなく、言い換えて確認する
    ・質問の難易度を下げる(「はい・いいえ」で答えることができる質問や答えを選択肢から選ぶ質問をなるべく用いる)

  • 話し方
    〈高齢のお客様の特性〉
    ・聞き取りやすい音域が狭く、「高音」「低音」が聞き取りづらい。特に「高い音域」が聞き取りづらい
    ・長音、促音(そくおん)・拗音(ようおん)、摩擦音等が、聞き取りにくい
    ・情報を処理するスピードが衰えていて、早口で一気に話すと理解が追いつかない

    〈オペレーターの話し方〉
    ・普段よりも少し低い、落ち着いたトーンの声で話す ※小さい声ではない
    ・一音一音はっきりと発音するようにする
       長音は「-」をきちんと伸ばし、 促音(そくおん)・拗音(ようおん)は「っ = つ」と一文字であることを意識して話す
       摩擦音は子音を意識して発音する
    ・話の句読点(「、」や「。」)では1秒程度の間をおくとよい。目安は1分間/240文字程度

ここまでお目通しいただき、大変ありがとうございます。
高齢化が加速度的に進む我が国において、コンタクトセンターを持たれる企業様が抜け目のない対策を講じられ、ますます選ばれていかれることを祈念しております。

<株式会社JBMコンサルタント 佐藤正樹>