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[コン検通信 理事だより] 新人教育の見直し

弊社は、1995年にPCメーカーのテクニカルサポートセンターを受託して以来、ITテクニカルサポートの一括請負のお仕事を中心に事業を展開してまいりました。請負チームにはマネージャー、リーダーを配置し、法人向けのインフラやシステムのトラブル障害対応、マネージドサービス、データベース・ネットワーク・セキュリティなどのテクニカルサポート、最近ではAWS、Azureの設計構築からサポート、英語と中国語によるグローバルヘルプデスクなど、幅広く対応してまいりました。また、夜間のシステムトラブルに対応するため、24時間365日でシフトを組んでいるチームも多く、チームマネジメントや人材育成も得意としております。これらの業務において、CMBOKの内容を活用できる部分が多くあり、コンタクトセンターマネジメントもできる技術者を配置しているチームもございます。

■CMBOKによる課題整理

弊社のお客様の中に、新人研修に約1年かけているチームがございました。IT業務経験者、未経験者も一律で教育に1年かかっている状況が続いておりましたので、教育期間の短縮について、弊社にご相談がありました。そこで、CMBOKの知識スキル体系を活用して、課題を整理いたしました。
新人教育のカリキュラムについて、センターの責任者や教育担当者にヒアリングし課題を整理しましたところ、以下のような状況にあることがわかりました。
スキル定義がない
研修内容の確認テストの実施ルールがあいまい
教育スケジュールの組み方に課題あり
その他、様々な課題が見つかりましたが、まずは新人研修について見直しを図ることになりました。

■教育カリキュラムとスケジュールの見直し

このチームでは、デビューするまで教育を受け、教育終了後の確認テストには3回合格する必要がありました。教育担当者は決まっていたのですが、「担当の中で手が空いている人が教育を行う」というルールだったため、当日の教育担当者が明確になっていませんでした。また、教育スケジュールも1週間ごとに何を実施するか決まっているものの、日ごとのカリキュラムを組んでいなかったので、業務が立て込んでしまうと教育が後回しになり、スケジュールが翌週にずれる、という悪循環が起こっていました。教育終了後の確認テストを実施する際も、教育担当者の空いた時間に行っていたため、テスト実施日程の遅延が発生しやすく、教育スケジュール全体が遅れてしまうような状況がありました。
そこで、弊社のコンサルタントによりデビューの基準となるスキルを定義し、教育カリキュラムの内容を見直しました。また、教育担当者のスキルも再度定義し、教育スケジュールを立てる際に教育担当をシフトに明記しました。これにより新人教育に1年近くかけていたものを6か月程度に短縮することができました。

コンタクトセンターを運営する企業の中には、CMBOKをご存じないという方もいらっしゃいます。
コンタクトセンターに従事される皆様の知識習得を促し、センター運営のお困りごとを解決する近道を築けるよう、弊社も当協会の活動を通して、CMBOKを広めてまいりたいと思っております。

<株式会社シー・シー・ダブル 永野 彰乃>